■市場調査のこと!
《飲食店における市場調査の重要性》
私が「仕事」として食に携わったのはアルバイトで始めた飲食店での経験が始まりです。
どの業界も同じですが、飲食業界も競争が激しく、常に新しいお店やサービスが生まれています。お客様の満足を得られるためには、自店の強みを最大限に活かしつつ、競合店の動向をしっかりと把握し、自店に足りない部分を補っていくことが不可欠だと教わりました。
市場調査とは、自社の置かれている状況や競合店の状況を客観的に把握するための活動です。私が社会人として最初にお世話になった企業では、自社と他社の比較を目的とした調査を「ストアコンパリゾン」と教わりました。ストアコンパリゾンは、市場調査の一環として、競合店を実際に訪問し、自店との違いを比較分析する手法です。
お取り組み先様との会食も貴重な市場調査のひとつです!
ストアコンパリゾンで得られるもの
ストアコンパリゾンを通して、以下の情報を得ることができます。
- 絶対評価:自店の商品、サービス、店舗環境の現状を客観的に評価し、課題を明確にする。
- 相対評価:競合店との比較を通じて、自店の強みと弱みを相対的に評価し、改善すべき点を特定する。
比較を通して見つける、他社の良いところ
ストアコンパリゾンでは、自店よりも優れている点や、参考になる点が必ず見つかります。例えば、
- 商品の品質:食材の鮮度、調理方法や味付け、食器や提供方法
- 接客:親しみ易い笑顔や言葉遣い、気遣いなどの対応の速さ
- クリンリネス:店舗の清潔状況、トイレなどの衛生管理
- スタッフの身だしなみ:制服の着こなし、髪型など
これらのQSCA(Quality、Service、Cleanliness、Attitude)と呼ばれる要素を、自店に取り入れることで、顧客満足度向上につながります。
定点観測で競合店との差を縮める
ストアコンパリゾンは、一度行うだけでは意味がないとも教わりました。定期的に同じ店舗を訪問し、定点観測を行うことで、競合店の変化を捉え、自店の改善に活かすことが重要です。
顧客満足度の高いお店は定期的に繰り返し調査して情報を得ます!
ストアコンパリゾンを成功させるためのポイント
- 比較対象の選定:自店と近い業態、価格帯、立地の店舗を選ぶ。
- 比較項目の明確化:比較したい項目を事前に決めておく。
- 客観的な視点:感情的な判断ではなく、事実を基に比較する。
- 改善策の立案:比較結果に基づき、具体的な改善策を立てる。
もちろん、時代によって求められる品質やサービスは変化します。私が飲食業界に入った頃と今とでは大きな変化がありました。それでも、対価を支払う以上は質の高い商品やサービス、記憶に残る「食事」という時間を過ごしたいと思う消費者の欲求は変わらないはずです。今、私に取っ手のお客様は飲食店を運営する企業様です。その企業様に対して、その業種業態に会った食材や商品・メニューのご提案をさせていただくためにも、これまでに学ばせていただいたストアコンパリゾンの手段を用いて、「食」に関する勉強を続けていこうと思います!
ストアコンパリゾン/市場調査についてはまた別の機会にもこちらのコラムで綴らせていただきます!